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「家を持つことが人生最大の夢」という歪んだ哲学

2011.10.14

マンションでは土地所有権はあってなきが如しで単なる形式にすぎない。自由に使えるわけではない、という点をくれぐれも忘れないでほしい。どうせ売れない土地を持つくらいなら、分譲の五、六割で買える定借マンションに住み、初期投資で浮く分を資産運用に回した方が、都会の豊かな暮らしがエンジョイできるというものだ。三十年、四十年の収支で考えるなら、同レベルの賃貸マンションの賃料の方が、分譲のローンや税金、修繕費用などより割安になるという試算もある。結局、分譲は土地の値上がりあっての「お買い得」なのだ。たとえば、いま三十五歳のあなたが、六十五歳までの三十年間は会社のある東京で暮らし、老後は静かな田舎で暮らしたい、と考えているなら、四十年、五十年先の土地の値上がりを前提とするようなシロモノを、何も無理して東京の近くに買う必要はないのだ。六十五歳で引退するまでは賃貸マンション、老後の田舎暮らしは地方の安い借家で十分ではないか。繰り返しになるが、分譲には買い替えの保証がないし(価格が下がるデフレ時代の転売はなお厳しい)、阪神大震災のような災害にでも遭えば、住宅ローンだけが残って、別途、多額の復興資金が必要になる、というリスクもともなう。こうなると、マイホームを購入する意味はいったい何なのか、という話になる。いまこそ日本人は「家を持つことが人生最大の夢」という歪んだ哲学(あるいは呪縛)から解放されなければならない。

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